俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「塔子!」
その時不意に遠くから、自分を呼ぶ声に塔子は声の主を目で追 った。

「晃……」

塔子の同期である晃は笑顔で塔子の元へ走って来ると、千堂に気づき一瞬で顔を引き締めた。

「申し訳ありません。柱でいらっしゃるのが確認できなくて」

「いえ、問題ないです。営業部の樋口さんですね?」
頭を下げた晃に、千堂は答えると晃に笑顔を向けた。


「はい、片桐とは同期で。姿が見えた物ですから」
説明するように千堂に話した後、晃は塔子に視線を向ける。

「飲みでも誘おうと思ったけど、まだ仕事だな?」

「うん、ごめんね」

「じゃあ、また。千堂室長失礼します」
塔子に軽く笑顔を見せた後、千堂に挨拶をすると、晃はその場からすぐに見えなくなった。

「……彼氏?」
少し間が開いた後、千堂の低いトーンの声に塔子は振り返った。

「はい?」
塔子は今聞こえたことに自信が持てず、千堂を見て聞き返した。
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