俺様室長は愛する人を閉じ込めたい～蜜愛同居～

「本当に副社長と普通に話してる」
つい呟いた言葉に、莉乃がクスリと笑って言葉を発した。
「なんか、この１年で意気投合したんですよ。だから、本当にここからは仕事忘れて下さいね。こんな急に軽井沢まで来たんだし」

「じゃあ、水川さんも敬語止めて下さい。なんか、せっかく知り合えたのに距離が縮まらないでしょ？」
塔子の微笑みに、莉乃も頷いた。

「莉乃、別館のＢＡＲ行くことにしたから」
前から呼ばれた莉乃は笑顔で返事をした。
「副社長、素敵な人だね」
塔子は微笑んで言った。
「うん、まあ、ここまでにはいろいろあったんだけど」
莉乃は少し肩をすくめると、前を歩く誠を見つめた。
「そうなの？すごく仲よくみえるよ」
「元々はすごーく女遊びのひどい人だったの」
ふざけたように言った莉乃の言葉に、塔子は目を丸くした。

「今の副社長の感じから想像できない……水川さんの事が好きで仕方なさそうに見えるのに……」

「そうみえるなら嬉しいな。今は信じてるから大丈夫だけどね」
幸せそうに微笑んだ莉乃に、
「そっか。みんないろいろあるよね。ねえ、せっかく軽井沢きているんだし、副社長の所行って」

「でも……」
「大丈夫だから。千堂室長の相手ぐらい私でもできるから」

（今の私に本当の所できるかわからないけど……）

「いいの？ありがとう」
そう言うと、莉乃は嬉しそうに誠のもとに小走りに走って行った。