俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「気を持たせてるんだよ。ずっと」
大輔はゆっくりと塔子の頬を手で包むと塔子を見つめた。

「え……?」

そして、ゆっくりとそしてはっきりと言葉にした。

「俺は、お前の事、妹とも、家族とも思ったことはないよ」

「え…?じゃあ、それ以下……ってこと?」
また、塔子の瞳に涙が浮かんだ。

「そんなわけないだろ!昔も、そして再会してからも、俺は塔子が好きだよ。誰よりも」

「そんな訳……ないじゃない……だって……」
塔子は呆然として、大輔を見た。
そんな塔子をみて大輔は苦笑した。
「再会してから、俺はそれをずっと伝えてたつもりだったけど。伝わらなかった?」

「だって……また妹として、かまわれてるだけって……そう思った」

「お前さあ、妹にあんなキスすると思う?俺は、今更現れた幼馴染をどうやって男として見てもらうか必死だったよ。だから、順序もルールも無視した……悪かったな」

放心している塔子に、
「塔子、とりあえず部屋に戻ろ?」

大輔は、塔子を抱きかかえ立ち上がらせると、ゆっくりと塔子の手をひいて部屋まで戻った。

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