俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「塔子、先シャワー浴びてこい。もう限界だろ?」

塔子は、さっきの大輔の言葉がまだよく飲み込めていなかったが、確かに酔いも回り、寝不足と疲労から、体があまりいう事を聞かなかった。

「うん……」
言われた通りに、シャワーを浴び、置いてあった部屋着を着ると部屋に戻った。

「ほら、水。飲んどけ」
大輔に渡されたミネラルウォータを少し口に含むと、大きく息を吐いた。

「もう横になれ」

「でも……」
大輔は塔子の言いたい事が解り、そっとベッドに塔子を連れて行くと、そっと抱きしめた。

「また、きちんと話すから。だから、今日はもう休め」
抱きしめられ、塔子は少しほっとして大輔の腕の中で目を閉じた。

「…うん」
少ししてベッドに入った塔子に、そっと塔子の唇にキスを落とすと、

「塔子、今まで本当に悪かった。でも、俺は塔子が好きだよ。誰よりも大切に思ってる」


大輔は塔子の瞳を見てはっきりと言った。
塔子の瞳からまた、涙が溢れた。

「こ……の10年分の涙、今日流れてる……か……も」

「10年があったから、今がある。とりあえず、顔色も悪い。ここにいるから眠って」
大輔は優しく塔子の髪を撫でた。

安心したように、塔子は深い眠りに落ちて行った。
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