あなたの幸せを心から願う
白石くんだ。



きっと聞いてたんだ。



あきらかに戸惑った顔をしている。



「いや、あの、聞く気はなかったっていうか…ごめん!」



そう言って申し訳なさそうに謝る白石くん。



優しい人なんだなぁ。



なんて思ってると



「耳が聞こえないのか?」



まぁそりゃそう思うよね。


まぁそうなんだけど、



「片耳だけね。」



私がそう言うと、



「そっか、誰にも言わないから、ごめんな?知られたくないことだったよな。」


そんなに謝らなくていいのにな。



でも、必死な白石くんがなんだか可愛く思えて


本日2回目の自然な笑みがこぼれた。


「じゃあ、私帰るね。」



そう言ってその場を去る。



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