あなたの幸せを心から願う
「ごめん、」



そう言って私を解放する白石くん。



「い、いや」


温もりが消えて不安になる。



あぁ、好きなんだ。



好きになってしまったんだ。




優しい白石くんを。




好きになったんだ。



「佐倉…?」



「私が幸せになるなんて許されない。」



そう、私は幸せになったらいけない。



自分に言い聞かせる。


なのに、



「佐倉のお母さんはそんなこと願ってないと思う。幸せになって欲しいって思ってると思う。」



そう言ってまた白石くんに抱きしめられる。


涙が止まらない。
< 39 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop