あなたの幸せを心から願う
過去のこと全部…




「ねぇ、路唯くんはさぁ。過去のこと後悔してる?」




予想外の質問だったのか考え込む路唯くん。




「してないって言ったら嘘になる。でも、あれは俺なりの小さな反抗だった。やり方が悪かったけど…」



そう言って苦笑いを浮かべる。




「路唯くん、いつかさ、お父さんとお兄さんに会ってもいいかな?話がしたいの。」



今日一番の驚いた顔を路唯くんはした。



「ほんと、小春には敵わないな…」




優さんにも同じこと言われたっけ…



「分かった。でも、もう少し待ってくれないか?俺がちゃんと向き合えるようになるまで。」



そう言って私の手を強く握った。



「うん。急がなくていいよ。ゆっくり解決したらいいんだよ。」



私が笑うと路唯くんも笑う。



目の前にいる路唯くんは私の大切な人。




大切な人の家族も私にとっては大切。




だから、前を向いて少しずつ絡まった糸を解けばいい。



いつの間にか眠ってしまった。
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