さよなら流れ星
暑い。
それが目覚めた瞬間に頭に浮かんだ言葉だった。
あたしのことを照らすというよりかは突き刺すくらいの勢いでカーテンの隙間からこぼれる太陽の光。
その眩しさに起こされたあたしは、全身を覆う不快感に耐えきれずにクーラーを付けた。
夏は嫌いだ。
冬だって嫌い。だけど、夏の方がもっと嫌い。
寒いのは我慢できるけど、汗をかくのは我慢できないもの。
枕元で充電していたスマホを引き寄せて電源を入れる。
メッセージとゲームアプリの通知が何件か。
その上に表示された時刻は、今がもう昼過ぎであることを示していた。
夏休みだからってグータラしすぎかもしれない。
課題だって、夏休みが始まって二週間が過ぎたってのに、通学カバンの中に眠ったままだ。
毎年直前になって「もっと前からやっておけばよかった」って後悔するってわかってるくせにできないのはなんでなんだろう。
全国の学生が悩まされているであろうこの病、そろそろ名前をつけてもいいんじゃないだろうか。
今だって、特にやることがないなら課題を進めればいいのに、布団から出ることもしないまま無意味にスマホをいじっている。
SNSの更新をチェックして、ろくに見ないまま「いいね」を押して、また更新されてないかチェックして…
無意味なことの繰り返し。
でもあたしたちの生活って、案外こういった無意味なことの積み重ねで成り立ってるんだって思う。