さよなら流れ星
『…面白いなんて、初めて言われました。』
「いやほんと、面白いって。こんなにおかしなこと、はじめて。」
ちゃんと心から笑うのなんて、いつぶりだろうか。
頑張って大声で笑わないように耐えているから、腹筋が痛い。
夜中の公園で一人で大笑いしてる女子高生、絵面を想像しただけで気持ちが悪い。
はあ、と大きく息を吐いて、なんとか平静を取りつくろった。
「それで、どうするの?運悪くあたしに繋がっちゃったわけだけど。」
意地悪い声でそう問いかけると、一瞬の間があって、再び息を吸い込む音が聞こえた。
『…ちょっと、お話しませんか?』
「…うん、いいよ。あたしも誰かと話したい気分だから。」
いつものあたしだったら、“誰かと話したい気分”なんてありえない。
人と話すのなんて苦手だもの。
だけど、やっぱり今日のあたしはおかしくて。
今日は、今日だけは、この「誰か」と喋ってみてもいいんじゃないかって思えた。