特別な君のために
——今、終わりました。おかげさまで金賞でしたよ!
奏多先輩にメッセージを送ってみたら、すぐに返事が届いた。
『おめでとう! すげー! 興奮する!』
——ありがとうございます。
『それじゃあ、あとは受験まっしぐらだな』
——切ないです。
『来週うちの学校祭だから、それ見てやる気を出そう。待ってる』
——わくわくしてきました。
『人間、楽しみがないと。それじゃあ、ちゃんとゆっくり寝ろよ』
——はい。ありがとうございました。
家族からもおめでとうというメッセージをもらい、嬉しい気持ちいっぱいのまま、ホテルの自分の部屋へ戻ってきた。
勉強しよう。持ってきた参考書とノートを広げて、静かな環境で勉強をはじめる。
真っ白いノートのページに、センター試験までの日数と、星路学園大の入試日を書き込んでみた。
もう、これしか日数がないのかと、驚いた。
いや、まだあと百日以上ある。頑張れば追いつける。
新たな目標に向けて、また自分なりの効率化を考えながらスケジュールを組み立てた。
奏多先輩のいる学校に向けて、まずは地道に勉強しよう。