特別な君のために
重い
千春が帰省している間は、食事も賑やかだ。
いつもは帰宅時間が遅いお父さんも、早く帰ってきて千春の相手をしている。
千春は嬉しくてテンションが上がった状態で、甲高い声で話し続けた。
最初は自分の好きなテレビ番組の話を延々と語り続けていたけれど、私のポケットに入っていたスマホがメッセージを受信した音がきっかけで、意識がこちらに向いてしまった。
「おねえちゃん、スマホ、か~し~てっ」
また、やってしまった……。自分の部屋に置いてくるべきだった。
千春は今、学校でも使わせてもらっているタブレット端末にとても興味がある。
私のスマホも、千春にとっては『おもしろいもの』だ。
「それはダメ。バツだよ。お姉ちゃんの大事だから」
手を交差させるジェスチャーも交えながら、スマホは貸せないと必死に伝えた。
ところが、千春は諦めなかった。
「おーねーがいっ!」
「ダメ。これはお姉ちゃんの大事」
また手でバツ印を作ったその瞬間、千春が私のポケットに手を突っ込み、スマホを奪い取った。
いつもは帰宅時間が遅いお父さんも、早く帰ってきて千春の相手をしている。
千春は嬉しくてテンションが上がった状態で、甲高い声で話し続けた。
最初は自分の好きなテレビ番組の話を延々と語り続けていたけれど、私のポケットに入っていたスマホがメッセージを受信した音がきっかけで、意識がこちらに向いてしまった。
「おねえちゃん、スマホ、か~し~てっ」
また、やってしまった……。自分の部屋に置いてくるべきだった。
千春は今、学校でも使わせてもらっているタブレット端末にとても興味がある。
私のスマホも、千春にとっては『おもしろいもの』だ。
「それはダメ。バツだよ。お姉ちゃんの大事だから」
手を交差させるジェスチャーも交えながら、スマホは貸せないと必死に伝えた。
ところが、千春は諦めなかった。
「おーねーがいっ!」
「ダメ。これはお姉ちゃんの大事」
また手でバツ印を作ったその瞬間、千春が私のポケットに手を突っ込み、スマホを奪い取った。