特別な君のために
二人で何度もシミュレーションしてみた。
私が仕事を辞めても、奏多さんのお給料で生活できる。
たとえ自閉症でも、知的障がいでも、可愛い我が子に変わりはない。
大変なときは、お母さんだって助けてくれる。
それに奏多さんだったら、どんな子どもでも受け入れてくれるだろう。
悩みに悩んだけれど、私は産みたいと思った。
そして授かったのが、双子。ハイリスク妊婦となったけれど、それもまた経験、なんて。
「案ずるより産むがやすしって言うだろ。大丈夫だって。きっと美冬に似て可愛い女の子が生まれるぞ。パパは絶対に嫁には出さん!」
「……男の子かもね。私は婿に出すよ。ニートとか引きこもりは勘弁してほしいから」
「夢がないなぁ。男子だったらスポーツ選手とか、歌って踊れるアイドルグループとか」
「ううん、元気ならそれでいい。私達のところを選んで来てくれただけで、大歓迎。そうでしょう?」
「そうだった。元気に育つんだぞ~」