特別な君のために

翌日、朝から整形外科へ。

お父さんが付き添ってくれると言ってくれたけれど、そう簡単に会社は休めないのを知っているし、お母さんは家で千春の面倒をみなくちゃならない。

ちょっと多めのお金を渡されて、玄関で降ろしてもらった。

明日からは五連休、なんていう状況の病院はものすごく込み合っている。

病院の週刊誌を読みつくしたところで、やっとレントゲンに呼ばれた。

何枚か写真を撮る時、昨日から固定されていた包帯を解かれたので、勇気を出して自分の中指を観察してみた。

……中指は見事に腫れあがっている。

診察室では元気いっぱいの爽やかイケメン先生に

「やっぱり骨折だね」

と言われた。


病院が終わった時にはもうお昼過ぎで、これから学校へ行っても5時間目にギリギリ間に合うかどうか、というところだろうか。

病院の売店でサンドイッチを買って、会計までの間に大急ぎで食べた。

病院から出たところでスマホの電源をONにすると、なるみからの着信やメッセージが溜まっていたということに気づいた。



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