特別な君のために
そんな時、ちょうどいいタイミングで奏多先輩からメッセージが届いた。

『こっちは夏休みの集中講義真っ最中!』

——真っ最中にスマホいじって大丈夫なんですか?

『ああ、大丈夫。今、休憩時間。礼拝があるからちょっと長めの休憩なんだ』

——礼拝、ですか! 何だかカッコいい!

『讃美歌も歌うよ。クリスマス礼拝は系列の高校の合唱部とうちのサークルとゴスペルサークルが合同で歌うんだ』

——私も歌いたいです。

『うちの大学に入ったら、もれなく俺が勧誘するけど』

——また、ですか?

『美冬はだまされやすいから、またすぐ部室へ連れていけるだろうしw』

——じゃあ、考えておきます。

『ところで、ホントに進路は決まったのか?』

——今ので決めました。奏多先輩と同じ大学に行きます。

『マジで!?』
『早まるな!』
『よく親と相談しろ!』
『親元離れるんだぞ!』
『学部は? 推薦? 一般か?』
『もう講義の時間だからまたあとで!』

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