特別な君のために
だから私も、今の自分にできることを、悔いなくやってみよう。
振り返って思う、我が家のこと。
変えなくちゃならない、これからのこと。
色々なことを考えながら、奏多先輩に返信した。
――すみません、遅くなりました。さっきまで両親と話をしていました。
『で、どうなった?』
――奏多先輩の後輩になるために、一般受験の勉強をします。
『マジ? 学部と学科は?』
――できれば同じところに入りたいです。
『よっしゃーーーーーー!』
……凄い勢いで飛び跳ねているカエルのスタンプと一緒に、こんなメッセージが届いた。
『俺も協力する。三年以上前の過去問も持ってるから、今度渡すよ。学祭へおいで。案内するから』
――本当ですか!? ありがとうございます!
はっきりとした目標ができた私は、早速過去問に取りかかった。
……難しい。でも、頑張らなくちゃ。奏多先輩の後輩になるために。
多分、この頃から私にとっての奏多先輩は、憧れの人からだんだん変わってきたのだろう。
好きな人、に。