特別な君のために
変える

あっという間に夏休みが終わってしまった。

始まったと思ったら、もうおしまい、というような。

普段の学校生活よりずっと忙しい夏休みだった。


朝八時から十二時までは、予備校の夏期講習に参加。

サテライトだから、時間を調節してくれるのがありがたい。

そのままバスに乗って、午後からは部活。

夕方までびっしり筋トレ、発声練習、パート練習、全体練習をこなして、家に着くのは七時過ぎ。

もう、毎日くたくただったけれど、部活と受験勉強を両立させると決めたのは私。

合唱部はコンクールが遅いから二年生で引退することもできるけれど、三年生まで歌いたいと願ったのも私。

全て私が決めたこと。私が選んだこと。

それに、奏多先輩は部長の仕事もこなしながら、今の私と同じように受験勉強をしていたと聞いた。

だったら、私だってできる。なるみだってやっている。譲君も部長をしながらセンター試験に向けて勉強している。
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