特別な君のために
実は、合唱の強豪校は進学校であることがほとんど。
新聞部、放送部、吹奏楽部、演劇部など、文科系の部活の強豪校は、進学実績でもすごい学校である割合がとても高い。
うちの高校もそうだけれど、他の学校の三年生も、夏休み中は部活と受験勉強を両立させている。
体育会系の部活のほとんどが、夏休みで引退を迎えるのに対し、文科系は秋の全国大会を終えてから引退する部活も多い。
部活の引退からセンター試験まで、たったの三か月程度しかないこともある。
私だけじゃない。うちの高校だけじゃない。
全国大会にも出場したい。第一志望に合格したい。
とても欲張りであることはわかっているけれど、どちらも譲れないからこそ、今、頑張るしかない。
なるみと譲君を中心とした三年生は、必死に練習メニューの効率化を考え、一・二年生は午前中も自主練に励んでいた。
そして。
努力の甲斐があって、夏休み明けのブロック大会で、私達の学校は見事金賞を受賞し、二年ぶりの全国大会へ参加できることになった。