Innocent -イノセント-
あたしの父親の妹であるノンちゃんは、父親よりも10歳以上は歳が離れてると思うけど、それはあくまで予想でしかない。
父親よりも、あたしとの方が歳が近いんじゃないかって思うけど、実際のところは分からない。
父親にも固く口止めをしているらしいノンちゃんは、あたしに年齢を教えてはくれない。
前に本当の年齢を教えて? と訊いた時。
『女は歳を気にしちゃいけないのよ?』
そう言ってのけたノンちゃんに、訊くのは止めようと思った。
唇を尖らせて言うノンちゃん本人が、一番気にしているらしいと悟ったあたしは、もう訊くのは止めてあげようと思った。
年齢を教えてくれないノンちゃんは、あたしが "望叔母さん" って呼ぶのにも抵抗があるらしい。
だから、気付いた時には "ノンちゃん" と、あたしは呼んでいた。
きっと必死になって、ノンちゃんが幼いあたしに教え込んだに違いない。
そんなノンちゃんが響ちゃんと結婚したのは、今から2年前。
あたしにとっても凄く嬉しいことだった。
だけどそれは、結婚そのものがって意味じゃない。
結婚するまでは、駅が二つ離れた街に住んでいたノンちゃん。
それまでは、たまにしか会えなかったノンちゃんが、結婚と同時にあたしの住む街に引っ越して来た。
自宅でフラワーコーディネーターの仕事をしているノンちゃんに、好きな時に会える。
その距離にノンちゃんがいる事が、何よりも嬉しかった。
なのに今は────……。
父親よりも、あたしとの方が歳が近いんじゃないかって思うけど、実際のところは分からない。
父親にも固く口止めをしているらしいノンちゃんは、あたしに年齢を教えてはくれない。
前に本当の年齢を教えて? と訊いた時。
『女は歳を気にしちゃいけないのよ?』
そう言ってのけたノンちゃんに、訊くのは止めようと思った。
唇を尖らせて言うノンちゃん本人が、一番気にしているらしいと悟ったあたしは、もう訊くのは止めてあげようと思った。
年齢を教えてくれないノンちゃんは、あたしが "望叔母さん" って呼ぶのにも抵抗があるらしい。
だから、気付いた時には "ノンちゃん" と、あたしは呼んでいた。
きっと必死になって、ノンちゃんが幼いあたしに教え込んだに違いない。
そんなノンちゃんが響ちゃんと結婚したのは、今から2年前。
あたしにとっても凄く嬉しいことだった。
だけどそれは、結婚そのものがって意味じゃない。
結婚するまでは、駅が二つ離れた街に住んでいたノンちゃん。
それまでは、たまにしか会えなかったノンちゃんが、結婚と同時にあたしの住む街に引っ越して来た。
自宅でフラワーコーディネーターの仕事をしているノンちゃんに、好きな時に会える。
その距離にノンちゃんがいる事が、何よりも嬉しかった。
なのに今は────……。