Innocent -イノセント-
「あたしも!! あたしも、どんな事があってもノンちゃんを嫌いにならないよ? あたしは、いつだってノンちゃんの味方だよ!!」
ノンちゃんが驚いたように目を見開く。
そして、次の瞬間。
コツンコツンとヒールを鳴らし、あたしの元へ戻って来たノンちゃんの細い腕に包みこまれる。
人の波も気にせず抱きしめてくるノンちゃんからは、いい匂いがして、温かくて。
「……ありがとう」
耳元で囁くノンちゃんの声は、何故だか切なく聞こえて……。
あたしはどうしようもなく泣きたくなった。