その笑顔が見たい


興奮して宮崎に詰め寄る俺を課長席から柳さんが飛んで来て止める。


「どうした?」


柳さんの顔を見た瞬間にスイッチが入ったかのようにポロポロと泣き出した宮崎が言葉を吐いた。


「永井さんが本木さんを!!!!!!!!!」


「えっ?なんで?」


葉月が危ない。永井紗江。
それだけで十分だ。
紗江が葉月に危害を加えるかもしれない。


スマホを持ってオフィスを飛び出した。
紗江の言動がおかしかったのは気がついていた。
葉月のことをどうやって知ったのかはわからない。
宮崎がどうして絡んでいるのかも。


でも今はそんなことはどうでもいい。
とにかく葉月の安全を確認したい。


廊下に出てスマホで葉月の番号を呼び出す。
コールが鳴り響くだけで、電話には出ない。

「繋がらない。お願いだ、無事でいてくれ」


円香さんのスマホにも連絡を入れるが、すぐに留守番電話になってしまった。
最終的に多忙な佐川さんに連絡を入れる。



< 122 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop