その笑顔が見たい

いつか見た夢のように本を読みながらソファに座る葉月の膝枕でウトウトとするのが至福のとき。ゆらゆらと揺れながら、時折、目を開けて葉月の顔を下から覗き込む。
葉月のお腹の方へ顔が向くようにクルッと寝返りを打つ。手だけを自由に使えるような体制になる。


本に夢中で俺のことを放っておく葉月にいたずら。
膝丈のスカートの裾をゆっくり捲り上げ、中に手を入れる。
柔らく滑らかな太ももを手の平で撫でる。
それに反応し始めた葉月がぎゅっと力を入れるから太ももが密着する。


「力、入れないで」


「…翔ちゃん、本、読んでるんだけど」


「読んでていいよ」


密着した太ももを割って、さらに上に手のひらが這っていく。
たどり着いた先にあるコットンの生地。
くぼみを一筋ツーっと撫でると甘い声が葉月の口からこぼれて来た。


「…ん…」



「葉月、どうしたの?本に集中しなくっちゃ」


下から覗き込む葉月の頬は紅潮していて、やたら色っぽい。


「…葉月、やらしい顔してる」


「だって翔ちゃんがエッチなことするから、あっ…」


「エッチなことってこういうこと?」

ショーツの隙間から指を滑り込ます。


「…ん、あ…」



「色っぽいな、その顔、好き」


そう言いながら唇を重ねる。
自然に開くようになった唇、その間から舌を滑り込ませると応える葉月にまた溺れる。



「我慢できない」


そっと耳元で囁くと葉月がピクッと反応した。
読んでいたはずの本がいつの間にか床に落ちている。
我慢してるのか、苦悩の表情を見せている葉月に我慢できなくなり上体を起こした。
そして葉月を押し倒す。


…はずだったのに…

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