王様と私のただならぬ関係
え?
今、この人、なんて言いました? と思いながら、明日香は俯き、考える。
嫌か?
……好きかと訊かれたら、わからないが。
嫌かと言われたら、とりあえず、嫌ではないな、と思っていた。
今も、大地だったら、絶対ドアを開けていないし。
「と、とりあえず、入ってください」
またこんなところに、ぼんやり立っていて、人に、あれ、なに? 生きてる? みたいな目で見られても困る、と思い、招き入れた。
秀人は、ほっとした……
ように見えた。
まあ、見えただけだが、と思いながら、明日香はリビングに向かう。
「遊びに来られるのはいいんですけど」
と言いながら、自分で自分に、……いいのか? と問うていた。
「でも、もう魚類はいいですよ。
また死んだら可哀想ですから」
と言うと、秀人は少し考え、
「確かに。
明日香に匹敵するたくましい魚を連れてこなければ、また明日香に殺されるだろうな」
と呟いている。