王様と私のただならぬ関係
 ひいいいいいっ、と思っていると、扉が開いて現れたのは、秋成だった。

 こちらを見て、おや、という顔をする。

「あっ、廣田さんっ。
 助けてくださいっ」
と思わず叫ぶと、秋成は、

「なんで?」
と言ってくる。

 ……なんでって。

 なんでって、なんだーっ!

 だが、一応、中に入らないまでも、ボタンを押して扉を開けてくれているので、せめて、離さないでーっ、と思って見ていたのだが。

 よく考えたら、開けっ放しだと、廊下を通る人に見られる。

 そんなことを考えている間にも、おじさんたちの話し声が近づいてきていた。

「廣田さん、こっち来てっ」

「なに? 俺にも加われって?」

 どうしよう。
 今、如月先輩より、貴方の頭をかち割りたいのですが……。

 だが、おじさんたちが来る前に、中に乗って、扉を閉めてくれた。

 エレベーターが動き出したが、すぐにまた止まるかもしれない。

 焦る明日香を秋成は腕を組んで見ている。

「廣田さんっ、助けてくださいっ」

「ちょっと待って、今、熟考中」
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