王様と私のただならぬ関係
 ……こいつを食べた明日香は正しかったな、と思っていると、
「最初に明日香ちゃんが如月に襲われたとき、俺が居ればよかったんだよな。
 そしたら、葉月じゃなくて、俺と結婚する話になってたかもしれないのに」
と言い出す。

 ならないっ、ならないっ。

 貴方でしたら、言ってませんっ、と思う。

 生きてるのか死んでるのかわからない秀人と違い、明らかに怪しい感じがするからだ。

「廣田、明日香が好きなのか?」
とまだ壁ドンしたまま、振り向き、大地が訊いている。

「いやー、好きかと訊かれたら、よくわからないんだけど。
 ほら、人の彼女ってよく見えるじゃない。

 特に友だちのだと」

 なんだか最低だが、貴方らしいですよ、廣田さんっ。

 とりあえず、貴様をはっ倒すーっ、と思っていると、総務のあるフロアで扉が開いた。

 ぐい、と肩をつかんで、秋成が大地を引きはがす。

 その瞬間、扉が開いたが。

 なんと、社長と専務が立っていた。
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