王様と私のただならぬ関係
明日香……と廣田?
廊下の隅の窓辺に立つ明日香と秋成を見て、秀人は足を止めた。
秀人の手には備品伝票があった。
小笠原に、廣田に消しゴム取りに行かせろと言われたのだが、こういうときには、つるつるっと居なくなっている秋成は今日もまた消えていたのだ。
結局、総務に居るじゃないか。
っていうか、なんで明日香と居るんだ、と思って見ていた。
秋成がなにか言うと、自動販売機のカップを手にした明日香が少しふくれて見せる。
可愛いな、と思い、眺めていた。
明日香の鼻先についたココアを秋成が軽く拭ってやるのが見えた。
いい男だ、秋成。
女性に対してのああいう仕草も様になる。
何故、お前ほどの男が、あんな訳のわからない明日香を。