王様と私のただならぬ関係
 面白がると、はっきり言ったことで、逆にまあいいかと思ったようだった。

 あまりに言い方が軽かったので、真剣に悩んでくれる人に話すよりは、聞き流してくれそうだから、愚痴るのにいいと思ったのかもしれない。

 明日香は赤くなりながらも、口を割った。

「あの、廣田さんだから言うんですけど」

「なになに?
 俺だから、信用できるから?」

「いえ、信用はできないんですけど」

 なんだ、そりゃ。

「廣田さんは、恋人同士のお付き合いとかお詳しいでしょうから」
と言われ、

「でも、俺、実は、誰かと恋人同士になったこととかないんだけどね」
と言って、はい? という目で見られる。

「ないよ。
 付き合おう、はい、そうですか、とか取り決めたことは一度もない。

 なんとなく一緒に居て、なんとなく離れるの繰り返しだから」
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