王様と私のただならぬ関係
「そうですか。
 あの……そういう方に相談して、どうにかなるのかわからないんですが」
と大真面目な顔で言ってくる明日香に、

 ん?
 なにか貶められた感じがしたぞ、と思いながらも聞いていると、
「私、その、男の方とのお付き合いとかどうも苦手みたいで」
と赤くなり、言ってくる。

「葉月さんでさえ、受け入れられずに、逃げてしまうんですけど。
 どうしたら」

「ん? ちょっと待って。
 それってどういう意味?」
と笑顔のまま言って、二度は言いませんっ、と言われてしまう。

「いやー、待って待って。
 意味がわからなかったんじゃなくて、信じがたかっただけだから。

 そんな人間居るの?」

「……それでは、廣田さん、さようなら」
と明日香は一礼し、総務に戻ろうとする。

 待って、待って、とその腕をつかんだ。

「ごめんごめん。
 俄かには信じがたくて。

 大丈夫。
 ちゃんと聞くから、ははは」
と言ったあとで、最後の、ははは、はいらなかったな、と思っていた。
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