王様と私のただならぬ関係
「なに、君、結婚しないと、そういうことしちゃ駄目とかいうタイプ?」

 いえ、と言ったあとで、明日香は言い直す。

「いえ、まあ、基本的にはそうなんですけど。

 葉月さんにはお世話になってるし、私のせいで、結婚という話になったようなものですし。

 此処で拒否するのも悪いかなあ、と思ったんですが」

 ……どうも逃げてしまって、と明日香は申し訳なさそうに言う。

 トラウマだろうなー、と思っていた。

 如月大地が彼女の心に植え付けたトラウマだ。

 実質被害はなかったんだろうが。

 ケーキで撲殺しかけてるからな。

 葉月も撲殺しちゃわないだろうかとか、無意識下で思ってるのかも。

 明日香ちゃんが嫌がっても、俺なら気にしないけど。

 葉月は優しいからなあ、と緋沙子たちが聞いたら、この鬼畜がっ、と罵ってきそうなことを思う。

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