王様と私のただならぬ関係
　いや、だって。
　なんだかんだで、明日香ちゃんは葉月のことが好きなんだろうから。

　如月のときとは状況が違う。

　葉月が強引に押し切ればよかっただけの話なんだろうけど。

　うーん。
　どうするかなー。

　大丈夫だよ。
　それ、如月が作ったトラウマだから、葉月と居るうちに気にならなくなるよ、と教えるべきかどうか、と思ってはいたのだが、口からは全然違う言葉が勝手に出ていた。

「ほんとは好きじゃないんじゃない？　葉月のこと」

　明日香は、えっ、という顔をする。

「成り行きとか。
　さっき、君が言ってたみたいな、お世話になってるからとかさ。

　そんな理由では人はそういうこと出来なかったりもするわけよ」

　俺は出来るけどねー、と思いながら、
「きっと、君は、葉月のこと、本当に好きなわけじゃないんだよ。
　しょうがないよね、あの顔だもん。

　側に居たら、好きかなって思っちゃうよね」
と勝手にまとめる。
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