王様と私のただならぬ関係
 貴方が言い出したんでしたよ、結婚。

 一足飛びに飛んだのは貴方ですよ。

 ただ、如月先輩の見合いが自分とこに流れてきたら、面倒だ、というだけの理由で。

 それなのに、私をこんなに夢中にさせて、彫像のくせに。

 夜毎の貴方のピンポンが、恐怖だけど。

 鳴らなかったら、きっとその晩は死にたくなる。

 なのに、なんで、そんなことさらっと言うんですか。

 行きずりで引っ掛けた女だから、ポイ、とその辺に捨ててもいいと思ってるんですか。

 そりゃあ、私が悪いんだけど。

 こんなぐいぐい話が進んでいったら、不安になるではないですか。

 如月先輩のトラウマもあるかなと感じていたけど。

 それ以前に、貴方が私を好きかどうかも、よくわからない。

 だから、貴方を受け入れられないんじゃないかと思うのに。

 なのに、いきなり別れようとか、彫像のくせに。

 そうだ、突き落とそう。

 そうだ、京都へ行こう、くらいの感じで、明日香は思い立った。
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