王様と私のただならぬ関係
 


「私は今日は、アザミだと思うな」

 社食で緋沙子が言い出した。

「花言葉は、『報復』よ」

 にやりと笑う緋沙子に、完全に面白がってるなーと明日香は思っていた。

「なになに、なんの話ですかー?」
と真美たちも口を挟んでくる。

 話を聞いた二人が、
「やだ。
 じゃあ、訊けばいいじゃない。

 葉月さんにー」
と言ってくる。

 いや、そうなんだけど。

 なんとなく、見守りたい気もするんだよね、と思っていた。

 今夜、なにが起こるのか――。

 ちょっと怖いが、夜が訪れるのを待つことにした。



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