王様と私のただならぬ関係
成敗してください
なんだか電話を待っていた頃よりも、更に落ち着かない気持ちだ。
今日は一体、なんの花が来るのか。
そもそも来ないのか。
弟切草の次が、本当にアザミだったら、本気でヤバイ気がする……と思っていた。
「明日香、どうしようっ」
と水槽を覗くと、明日香は、んー、どうするー? と雑誌を読みながら返事をしてくる友だちのような適当さで、ぷかりぷかりと泳いでいる。
「明日香、明日香はひとりで寂しくないの?
新しい秀人はいらないの?
それとも、秀人が来たら、また殺すっ?」
と緊張のあまり錯乱して、水槽をつかんでいると、ピンポーンッと鳴った。
来たっ。
「来た来た来た来たーっ!」
途中から、声に出して叫んでいたように思う。
出て行きかけて、戻り、モニターで確認する。
間違いない。
白いお面の男。
そして、後ろになにかを隠し持っている。