王様と私のただならぬ関係
「こ、強張りますよ」

「でも、俺だって不安だから」

 黙って、じっとしてて、と言いながら、秀人が自分の上になる。

「さっき、名前呼ぶのに、一瞬、間が空きましたよ」
とその顔を見つめ、笑ってみせる。

「また、こいつの名前、なんだっけ?
 確か戦艦の名前だったな、とか思ってませんでした?」
と言ってやると、

「そうだな。
 みずほだったか、はるなだったか」
と言い返された。

 少し笑う。

 秀人のあの不思議な色の瞳を見つめて言った。

「今日、私が逃げようとしたら、どうか成敗してください」

 少し止まって考えた秀人は、
「そうだな。
 ……成敗しようか」
と言う。

「ええっ?」

 自分で言っておいて、声を上げてしまった。

 この人が言うと、なんでも、ほんとっぽいからだ。
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