王様と私のただならぬ関係
「家事をしていても、頭の中で仕事は進められるが、お前はそこに居なくても、俺の頭の六割は占めている」

 ろ、六割……。

 微妙だ。

 照れもあるのかもしれないが。

 私は、120パーセントくらい葉月さんに頭の中占められてるのに~と思いながら、
「……じゃあ、出て行きましょうか」
と言うと、

「やめてくれ」
と冷たく言われた。

「そしたら、頭のすべてがお前になってしまうから」

「……やっぱり、貴方は廣田さんより恐ろしい人です。

 どうして、心臓が止まるかと思うくらいの殺し文句を平然と言ってくるんですか……」
と呟くと、

「俺はただ、思ってることを言ったまでだ」
と秀人は言う。

 その一言すら殺し文句だ……と思ったが、相変わらずのこの朴念仁は気づいてもいないようだった。

「そうだ。
 今度、近くの神社で祭りがあるから行くか」

 唐突に秀人はそんなことを言い出した。

「え?」
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