王様と私のただならぬ関係
「可愛い人ですよね」
と言うと、

「確かに」
と秀人が言う。

 ええっ!?
 この人が女性を褒めるとかっ?
と他の女性を褒めた秀人に驚き、振り返る。

 いや、秀人のことだから、適当に相槌を打っただけなのかもしれないが。

 玄関先でフリーズしていると、
「いや、お前の方が可愛いが」
と言ってきた。

 ええっ!? と明日実は声を上げる。

 この人が私を褒めるとかっ?
と見ると、

「……と言うといいと、廣田が言っていた」
と余計な一言を付け加えてきた。

「そんなことだと思いましたよ」
と言いながら、リビングに向かった。
< 295 / 298 >

この作品をシェア

pagetop