王様と私のただならぬ関係
 今度はシメにじゃなく、シトメに……と思いながら、呟くと、秀人が、

「お前は廣田が好きなのか」
とまた繰り返すので、

「文句を言いに行くんですよっ」
とつい、怒鳴ってしまった。

 王様に向かって……。

 だが、本当にこの先も付き合う気なら――

 いや、付き合うのかどうかは知らないが、これだけは言っておかねばと思い、明日香は口を開いた。

「あのー、葉月さん。
 廣田さんを頼りにされているのはわかりますが、これでは私は、廣田さんとデートしているみたいです。

 今後一切、廣田さんの言われた通りに行動しないでください」

 彫像が沈黙した。

 いや、彫像なんだから、口きかなくて当たり前なのだが。

 これは……怒っているのか?
 
 戸惑っているのか?

 表情が読めないっ、と怒鳴っておいて、こちらが苦悩してしまう。
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