王様と私のただならぬ関係
彫像と海に行きました
花を置いたあと、明日香は秀人の車に乗った。
うん。
少しはこの車の匂いにも慣れたかな、と思う。
この間の計画により、とりあえず、二人で海に行くことになっているのだが。
ロマンティックに二人で海を眺めようという話ではない。
クラゲの海水を一週間に一度はかえる必要があるので、それを汲みに行くだけの話だ。
だが、まあ、近くで食事をしたり買い物をしたりしようと計画してはいる。
しかし、秀人が運転しながら、
「でもそうか。
廣田の言う通りに動いてはいけないと言うことは、予定していたスケジュール通りに動いてはいけないということか。
じゃあ、俺が考えることになっていた食事する場所も考え直さないといけないな」
と言ってきた。
「え?」
「廣田がいいレストランを予約してくれていたらしいんだが」
と呟くので、
「そ、それは行きましょうっ」
と思わず言って、
「……お前の主義主張はすぐ揺らぐんだな」
と言われてしまった。