王様と私のただならぬ関係
「秀人、どの子がいい?」
テーブルに着くなり、同期で、同じ研究棟に居る廣田秋成が訊いてきた。
「新入社員だよ。
今年も結構可愛い子が多いな。
俺は、緋沙子の前の子かな」
ああ、さっき、俺をポスターと間違えたとかいう。
そう言って、小笠原が笑っていたことを思い出していた。
肩より少し下くらいのロングヘアで、確かに可愛い、というか美人だ。
少し細すぎる感じもするが、スタイルもいい。
だが、女性の外見に関しては、分析はしても、特に心を揺さぶられたことはない。
秋成などは、あの子は可愛いとか、胸が大きいとかうるさいが……。
モテるくせに、彼女は作らないようだが。
本人に言わせれば、
「モテるから作らないんだ」
ということだったが――。