王様と私のただならぬ関係
 



 二人で書店に寄ったり、買い物をしたりして、夕方にはもう明日香の家へと向かっていた。

 助手席で秀人と話しながら、明日香は思う。

 今まで、葉月さんのことを彫像か機械に違いないと思っていたのだが。

 今日一日居て、なんだか今なら、葉月さんを普通の人のように見られる気がする、と思った。

 ……違うな。

 普通にヤバい人のように見られそうな気がする、だな、と明日香は思い直した。

 今まで、感情もなく機械的に動いている、理解不能な人だと思っていたのだが。

 この顔に少し慣れてきたせいか、ただのちょっとヤバい人だということがわかってきた。

 ……うん。

 なにも安心材料はないな、と交通量の多い夕暮れの交差点を見ながら明日香は思う。

 だいたい、学者とか研究員とか先生とかこういう人が多いんだよなー。

 いきなり、自分の世界に入る。

 人の話を聞いていない。

 決めつけて、上から物を言う。

 しかも、困ったことに、それでいて、ちょっと憎めないのだ。
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