添い寝は日替わり交代制!?
15.思わぬ訪問者
どれだけ経っただろう。
不意に静寂が破られた。
ピーンポーン……。
夜も深まる時間帯だと思うのに、インターホンの音が響いて夢の世界と現実をゆらゆらした。
「こんな時間に誰だろう。」
宇佐美くんのつぶやきに夢の中ではなさそうだなと少しだけ意識を浮上させた。
また誰かと鉢合わせしそうになるのかな。
今度こそ彼女???
そこまで考えを巡らせると、すっかり目が覚めてしまって今日一番のドキドキを感じた。
ベッドに縮こまって様子を伺う。
玄関へ向かった宇佐美くんに自分は隠れた方がいいのか迷っていると、玄関先でボソボソ話している声がしたあとに「なんですか。それ」と言った宇佐美くんが戻ってきた。
宇佐美くんの後ろには誰かがついて部屋に上がってきていて、その姿に驚いた。
その人は………佐々木課長だった。
「どうされたんですか?」
「佐々木課長が1人じゃ眠れないって子どもみたいなこと言うんですよ。」
呆れ顔の宇佐美くんに「どう思います?」と言われても、心春は驚き過ぎて声も出ない。
「中島さんに添い寝を頼んだのは、加齢による人肌恋しさだとお伝えしました。
ですので、中島さんが宇佐美くんの所に行かれてしまっては本末転倒というものです。
したがって………。」
近づいて話した佐々木課長からお酒の匂いがして、この距離で分かるということは相当な量を飲んでいると思う。
それでも宇佐美くんがいるせいなのか、いつも通りに見える。
話の内容は突拍子もないのは確かだ。
酔ってはいるんだろう。
「佐々木課長と添い寝するってことになるんですか?」
「中島さんもおかしいと思うでしょ?」
そりゃまぁ……。宇佐美くんにバラされないように私が宇佐美くんと添い寝することになったのに、それを断って佐々木課長と添い寝ってわけにはいかないって思うのが普通だよね?
「だよな。俺と佐々木課長でなんて。
男同士で寝て何が嬉しいんですか。」
「…………はい?」