添い寝は日替わり交代制!?
「!!!!!」
何度も言われているのに、その「好き」が気遣いの好きだと分かっているのに、きゅーっと胸が痛んだ。
思わず「私もです」と言い出しそうになった口元を押さえて、その『私も』は何に対しての同意見だったのかと頭をぐるぐるさせた。
そうこうしているうちに背中からスースーと規則正しい息遣いが聞こえて貴也さんが眠ったことが分かった。
起きている時は緊張してそれどころじゃないのに、寝たと分かると無性に貴也さんの顔を見たくなった。
その気持ちに抗えず貴也さんの方へ向き直ると綺麗な顔が目の前にあった。
寝ているんだという安心感から触れたい衝動のままに頬にそっと触れると、そのまま両手で貴也さんの頬を包んだ。
手から伝わる貴也さんのぬくもりにキュンと胸の奥が鳴いて、起きている時は凝視できない貴也さんの顔を見つめる。
「やっぱり…添い寝してるのに普通に寝られちゃうなんて、私のことをなんとも思っていない証拠かなぁ。」
自分でつぶやいたセリフに僅かに胸が痛んだ。
この気持ちが『好き』じゃないのなら、なんなんだろう。
そして、さきほど口にできなかった言葉をつぶやいた。
「私も…時間が止まって欲しいです。
貴也さんのこと…。」
それ以上、口に出せずに心春は決意した。
明日は宇佐美くんと添い寝してみよう。
この気持ちがなんなのかを知るために。
そっと貴也さんの髪に手を入れて撫でるように触ってみた。
こぼれた髪に「ん…」と貴也さんの吐息がこぼれた。
「こはちゃん…。」
そうつぶやいた貴也さんが、回したままの腕の中にいる心春を抱き寄せた。
心春もそれに甘んじて貴也さんにくっつくとトクトクと耳障りの良い鼓動と心地よいぬくもりに知らぬ間に夢の世界へと入っていった。
目が覚めるとまだ貴也さんの腕の中だった。
今朝は前とは逆で貴也さん…というよりも、佐々木課長に腕を回されて身動きが取れなかった。
まだ寝ているみたいだ。
恥ずかしい気持ちとくっつきたい気持ちが混ぜこぜになりつつも、寝ているであろう佐々木課長にはバレないのだからと、目の前の胸元に顔とくっつけてみた。
温かいぬくもりと男の人の香りが鼻をくすぐって、安心するような愛おしいような不思議な感覚になった。
不意に回されたままだった腕が心春の背中を押して、ぐっと体が密着させられた。
今ので起きちゃった!?
それにしたって、今は貴也さんじゃなくて佐々木課長のはずで…。
佐々木課長のはずの人に抱き寄せられて戸惑っている心春の耳にもっと衝撃的な小さな声が届いた。
「おはようございます。
こは…るさん。」
思わぬ言葉にさっきまで安心していたのが嘘みたいに心臓が騒がしくなる。
「すみません。
さすがに『こはちゃん』は寝起きでハードル高いです。」
頭の上から響く低くて寝起きのはっきりしない声。
酔っていないんだって分かってる。
今のこの人は貴也さんではなく佐々木課長だ。
そう思うのに考えるよりも先に目の前の体にしがみつくように抱きついた。
愛おしくて温かくて離したくないと思ってしまった。
すると回されていた腕が反対に離されて、戸惑ったような声がした。
「あ、あの。
ちょっとさすがにまずいです。」
え?と思う間もなく離された体は心春から遠ざかっていく。
「あの…その…シャワー浴びてきます。」
歯切れ悪くそう言い残した佐々木課長は心春が何か言う間もなく出て行ってしまった。
取り残された心春は寂しくなると佐々木課長が寝ていたところにコロンと転がった。
まだ確かにあるぬくもりと佐々木課長のにおいに余計に胸が痛くなった。
何度も言われているのに、その「好き」が気遣いの好きだと分かっているのに、きゅーっと胸が痛んだ。
思わず「私もです」と言い出しそうになった口元を押さえて、その『私も』は何に対しての同意見だったのかと頭をぐるぐるさせた。
そうこうしているうちに背中からスースーと規則正しい息遣いが聞こえて貴也さんが眠ったことが分かった。
起きている時は緊張してそれどころじゃないのに、寝たと分かると無性に貴也さんの顔を見たくなった。
その気持ちに抗えず貴也さんの方へ向き直ると綺麗な顔が目の前にあった。
寝ているんだという安心感から触れたい衝動のままに頬にそっと触れると、そのまま両手で貴也さんの頬を包んだ。
手から伝わる貴也さんのぬくもりにキュンと胸の奥が鳴いて、起きている時は凝視できない貴也さんの顔を見つめる。
「やっぱり…添い寝してるのに普通に寝られちゃうなんて、私のことをなんとも思っていない証拠かなぁ。」
自分でつぶやいたセリフに僅かに胸が痛んだ。
この気持ちが『好き』じゃないのなら、なんなんだろう。
そして、さきほど口にできなかった言葉をつぶやいた。
「私も…時間が止まって欲しいです。
貴也さんのこと…。」
それ以上、口に出せずに心春は決意した。
明日は宇佐美くんと添い寝してみよう。
この気持ちがなんなのかを知るために。
そっと貴也さんの髪に手を入れて撫でるように触ってみた。
こぼれた髪に「ん…」と貴也さんの吐息がこぼれた。
「こはちゃん…。」
そうつぶやいた貴也さんが、回したままの腕の中にいる心春を抱き寄せた。
心春もそれに甘んじて貴也さんにくっつくとトクトクと耳障りの良い鼓動と心地よいぬくもりに知らぬ間に夢の世界へと入っていった。
目が覚めるとまだ貴也さんの腕の中だった。
今朝は前とは逆で貴也さん…というよりも、佐々木課長に腕を回されて身動きが取れなかった。
まだ寝ているみたいだ。
恥ずかしい気持ちとくっつきたい気持ちが混ぜこぜになりつつも、寝ているであろう佐々木課長にはバレないのだからと、目の前の胸元に顔とくっつけてみた。
温かいぬくもりと男の人の香りが鼻をくすぐって、安心するような愛おしいような不思議な感覚になった。
不意に回されたままだった腕が心春の背中を押して、ぐっと体が密着させられた。
今ので起きちゃった!?
それにしたって、今は貴也さんじゃなくて佐々木課長のはずで…。
佐々木課長のはずの人に抱き寄せられて戸惑っている心春の耳にもっと衝撃的な小さな声が届いた。
「おはようございます。
こは…るさん。」
思わぬ言葉にさっきまで安心していたのが嘘みたいに心臓が騒がしくなる。
「すみません。
さすがに『こはちゃん』は寝起きでハードル高いです。」
頭の上から響く低くて寝起きのはっきりしない声。
酔っていないんだって分かってる。
今のこの人は貴也さんではなく佐々木課長だ。
そう思うのに考えるよりも先に目の前の体にしがみつくように抱きついた。
愛おしくて温かくて離したくないと思ってしまった。
すると回されていた腕が反対に離されて、戸惑ったような声がした。
「あ、あの。
ちょっとさすがにまずいです。」
え?と思う間もなく離された体は心春から遠ざかっていく。
「あの…その…シャワー浴びてきます。」
歯切れ悪くそう言い残した佐々木課長は心春が何か言う間もなく出て行ってしまった。
取り残された心春は寂しくなると佐々木課長が寝ていたところにコロンと転がった。
まだ確かにあるぬくもりと佐々木課長のにおいに余計に胸が痛くなった。