添い寝は日替わり交代制!?
 こはちゃんが近づいてくる気配がして理性を保とうと躍起になる。
 そうでもしないと抱きしめてしまいそうで。

『酔った貴也』ではなく『佐々木課長』が抱きしめてしまったら。
 好きだなんてほざいてしまったら…。

「また飲んだんですね?貴也さん。
 心配でこっちに来てしまいました。
 え。な、なんですか?」

 もう無理だった。
 こはちゃんが自分を心配して来てくれた。
 それを知ってしまったら抱きしめずにいられなかった。

 自分の腕の中にある小さな頭にそっと自分の頬を乗せる。
 このまま離さずにいられたら…。

「貴也さん?あの…。」

 貴也さん…。
 そうか。酔ってると思っているんだ。
 そう思うと心のたがが外れてしまった。

「寂しかったです。
 こはちゃんがそばにいてくれないと。」

 顔を上げるともう一度頭に近づけて今度は唇を頭に触れさせた。
 そして思ったままを口にした。

「こはちゃんの手料理が食べたい。」





< 66 / 98 >

この作品をシェア

pagetop