添い寝は日替わり交代制!?
28.なんて日だろう
やっぱり聞こえないってことはないんじゃ。
だとしたらどうして聞こえないふりなんて。
好きだと自覚した方がつらいなんて思ってもみなかったな。
そんなことに思いを馳せていると電話が鳴った。
「はい。お電話ありがとうございます。
浅井メディカル株式会社。中島です。」
仕事中に別のこと考えるなんて…。
反省しながらメモを手元に置いてペンを手にする。
昨日のことをあーでもないこーでもないと考えていて、いつの間にやら仕事をしている。
そんな感覚だった。
それでも電話応対はちゃんとしなくちゃいけない。
電話に出た人は言わば会社の顔だ。
「もしもし?はなしたドラックストアですが。
この前、お願いした商品を倍の量で納期も短くして欲しいです。
今週中に納品できないでしょうか?」
はなしたドラックストア。
前に佐々木課長が契約してきた新規のところだ。
ホワイトボードを確認すると佐々木課長の欄に直帰のマグネットが貼ってあった。
「担当の者が外出中です」と言うのがきっと正しい対応の仕方だ。
でも………。
「かしこまりました。
改めて見積書をお送りいたします。」
「そうですか。
ありがとうございます。助かります。
では、よろしくお願いします。」
電話を置くと急いで該当の商品を卸している会社に電話をかけた。
やみくもに了承したわけじゃない。
今まで佐々木課長に頼まれていた膨大な資料や色々をまとめたり、整理しているうちに取引先の名前や最短納期などが自然と頭に入っていた。
だから今回の電話で要求されたことが可能かどうかは佐々木課長に確認をしなくても大丈夫だと思ったのだ。
思った通り卸している会社にお願いすると今週中の早い段階での納品が可能との返事がもらえた。
ホッと息をついて見積書を作成しようとする心春のデスクにコップが置かれた。
「頑張ってるね。
佐々木課長にしごかれてるだけはあるよ。」
顔を上げると吉田先輩がにっこり微笑んで手には紙コップを持っていた。
心春の机にも同じ紙コップ。
「中島ちゃんの淹れてくれたコーヒーには負けるけど自販機のも美味しいよ。」
ウィンクする吉田先輩にお礼を言ってコーヒーに口をつけた。
苦くて、だけどとても心が温かくなる味がした。
だとしたらどうして聞こえないふりなんて。
好きだと自覚した方がつらいなんて思ってもみなかったな。
そんなことに思いを馳せていると電話が鳴った。
「はい。お電話ありがとうございます。
浅井メディカル株式会社。中島です。」
仕事中に別のこと考えるなんて…。
反省しながらメモを手元に置いてペンを手にする。
昨日のことをあーでもないこーでもないと考えていて、いつの間にやら仕事をしている。
そんな感覚だった。
それでも電話応対はちゃんとしなくちゃいけない。
電話に出た人は言わば会社の顔だ。
「もしもし?はなしたドラックストアですが。
この前、お願いした商品を倍の量で納期も短くして欲しいです。
今週中に納品できないでしょうか?」
はなしたドラックストア。
前に佐々木課長が契約してきた新規のところだ。
ホワイトボードを確認すると佐々木課長の欄に直帰のマグネットが貼ってあった。
「担当の者が外出中です」と言うのがきっと正しい対応の仕方だ。
でも………。
「かしこまりました。
改めて見積書をお送りいたします。」
「そうですか。
ありがとうございます。助かります。
では、よろしくお願いします。」
電話を置くと急いで該当の商品を卸している会社に電話をかけた。
やみくもに了承したわけじゃない。
今まで佐々木課長に頼まれていた膨大な資料や色々をまとめたり、整理しているうちに取引先の名前や最短納期などが自然と頭に入っていた。
だから今回の電話で要求されたことが可能かどうかは佐々木課長に確認をしなくても大丈夫だと思ったのだ。
思った通り卸している会社にお願いすると今週中の早い段階での納品が可能との返事がもらえた。
ホッと息をついて見積書を作成しようとする心春のデスクにコップが置かれた。
「頑張ってるね。
佐々木課長にしごかれてるだけはあるよ。」
顔を上げると吉田先輩がにっこり微笑んで手には紙コップを持っていた。
心春の机にも同じ紙コップ。
「中島ちゃんの淹れてくれたコーヒーには負けるけど自販機のも美味しいよ。」
ウィンクする吉田先輩にお礼を言ってコーヒーに口をつけた。
苦くて、だけどとても心が温かくなる味がした。