添い寝は日替わり交代制!?
 しばらくして「いい加減、夕食にしないといけませんでしたね」と佐々木課長はソファから立ち上がった。

 少し寂しい気がして何をバカなことをと思い直した。

 しかし離れて行くはずの立ち上がった佐々木課長がそのまま振り返って心春をのぞきこんだ。

 その顔が近くてドキッとする。

 愛しむような視線の佐々木課長の目を見れずにいる心春につぶやくような声がした。

「こんなに腫れて可哀想に。」

 その声と同時にまぶたに柔らかい何かが触れてハッと顔を上げようとすると頭を優しく包む手に阻まれた。

「ほら。こっちも。」

 もう片方にも触れた柔らかい何かが今度は「チュッ」と音を立てて離れていった。

「腫れがひくおまじないです。」

 離れていく顔のシーの指をした奥にある薄い唇に目が行くとカァーッと顔が熱くなるのを感じた。

 うそ。まぶたにキスされた!?

 ソファに突っ伏して「わーっ!!!!!」と叫びたい気持ちを抑えているとクスクスと笑う佐々木課長がキッチンへと行ったようだった。

 そうだった。

 今は佐々木課長じゃなくて貴也さんだったんだ。



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