添い寝は日替わり交代制!?
39.その後の2人
北海道では色々とありつつも恋人らしい時間も存分に楽しんだ。
もちろん仕事も頑張った。
北海道に行く前に「中島さんは私の彼女ですって言っていいんですか?」と言われたけれど、貴也さんが言わなくても周知の事実として伝わっていた。
貴也さんが出張の時に「どうしても連れてきたい人がいる」と言ったせいというかおかげというか、わざわざ言う必要がなかったのだ。
そんな北海道生活から戻って来て………。
「ねぇ。また佐々木部長が変なこと言ったみたいだよ。」
本社に戻ってきて佐々木課長は部長になった。
北海道への1年は戻ってきた時の部長昇格が約束されていたみたいだった。
いきなりの昇格だったけれど、みんな納得する人事で、それよりも帰ってすぐに結婚した私達のことの方が騒ぎになった。
覚悟はしていたけど、吉田先輩にも根掘り葉掘り聞かれたし、他にもいっぱい聞かれて帰って来て少しの間の記憶があやふやなくらいだ。
で、吉田先輩との会話に戻ると……。
「佐々木部長また何か言ったんですか?」
「結婚したんだから中島ちゃんも佐々木でしょ?って質問した奴がいたみたいで。」
「それは区別をつけるのが大変だから、会社では中島のままでって。」
「それ建前でしょ?」
「え?」
「若手のホープ田代くんが「中島さんとご結婚されてるんですね。なら中島さんも佐々木さんですよね?」って言ったらなんて言ったと思う?」
「それは……そうですって?」
「ううん。「『心春』は私だけのものです」ってクソ真面目なあの顔と口調のまま言うもんだから面食らったって田代くんが。」
あぁ。またやってしまっている。
吉田先輩も貴也さんの一言が何を意味しているのか分かっているみたいだ。
「つまり区別するために中島ちゃんを『心春さん』なんて呼ばせないってことでしょ?
どんだけよ。」
「そんなことを……恥ずかしい。」
会社では相変わらずなのに私とのこととなると急に『貴也さん』みたいになるから、その度にみんながびっくしている。
佐々木部長のまま、内容だけ貴也さんだから余計に驚くみたいで………。
そんなこと慣れっこになった吉田先輩は笑っている。
「田代くん若いしね。牽制したんじゃない?
私はいいと思うけどね〜。佐々木部長。
大人の魅力?
で、実際はどうなの?」
う………。
魅力って………。
そんなこと言えるわけない。
「な、内緒です。」
「じゃ佐々木部長に直接聞いちゃおう。
中島ちゃんの可愛いところは?って。」
「そ、それは………!!
あ、定時になりましたよ。
吉田先輩、今日はデートでしょ?」
「そういう中島ちゃんは佐々木部長のお母さんと食事でしょ?」
「はい。」
「よくやるよ。頑張って。」
吉田先輩は彼のお母さんという存在が苦手みたい。
貴也さんのお母さんはなんというか普通じゃないから大変は大変だけれど楽しい人だ。
私も早く帰ろうと通路を歩いていると近くの会議室から手を引かれドキリとする。
パタンとドアが閉まると同時に抱きすくめられた。
もちろん相手は貴也さんだ。
「こはちゃん。会いたかったです。
母に会うために急がなくてもいいです。
私に会いに来る方が先でしょう?」
自分のお母さんにまでヤキモチを妬く貴也さんは本当にあの佐々木部長なのかと思う。
心春の気持ちなど知る由もない貴也さんは耳に唇を寄せた。
「愛してます。心春。」
甘くささやいた唇は優しく降りてきて心春の唇に重なった。
2人の指には同じ指輪がきらめいていた。
もちろん仕事も頑張った。
北海道に行く前に「中島さんは私の彼女ですって言っていいんですか?」と言われたけれど、貴也さんが言わなくても周知の事実として伝わっていた。
貴也さんが出張の時に「どうしても連れてきたい人がいる」と言ったせいというかおかげというか、わざわざ言う必要がなかったのだ。
そんな北海道生活から戻って来て………。
「ねぇ。また佐々木部長が変なこと言ったみたいだよ。」
本社に戻ってきて佐々木課長は部長になった。
北海道への1年は戻ってきた時の部長昇格が約束されていたみたいだった。
いきなりの昇格だったけれど、みんな納得する人事で、それよりも帰ってすぐに結婚した私達のことの方が騒ぎになった。
覚悟はしていたけど、吉田先輩にも根掘り葉掘り聞かれたし、他にもいっぱい聞かれて帰って来て少しの間の記憶があやふやなくらいだ。
で、吉田先輩との会話に戻ると……。
「佐々木部長また何か言ったんですか?」
「結婚したんだから中島ちゃんも佐々木でしょ?って質問した奴がいたみたいで。」
「それは区別をつけるのが大変だから、会社では中島のままでって。」
「それ建前でしょ?」
「え?」
「若手のホープ田代くんが「中島さんとご結婚されてるんですね。なら中島さんも佐々木さんですよね?」って言ったらなんて言ったと思う?」
「それは……そうですって?」
「ううん。「『心春』は私だけのものです」ってクソ真面目なあの顔と口調のまま言うもんだから面食らったって田代くんが。」
あぁ。またやってしまっている。
吉田先輩も貴也さんの一言が何を意味しているのか分かっているみたいだ。
「つまり区別するために中島ちゃんを『心春さん』なんて呼ばせないってことでしょ?
どんだけよ。」
「そんなことを……恥ずかしい。」
会社では相変わらずなのに私とのこととなると急に『貴也さん』みたいになるから、その度にみんながびっくしている。
佐々木部長のまま、内容だけ貴也さんだから余計に驚くみたいで………。
そんなこと慣れっこになった吉田先輩は笑っている。
「田代くん若いしね。牽制したんじゃない?
私はいいと思うけどね〜。佐々木部長。
大人の魅力?
で、実際はどうなの?」
う………。
魅力って………。
そんなこと言えるわけない。
「な、内緒です。」
「じゃ佐々木部長に直接聞いちゃおう。
中島ちゃんの可愛いところは?って。」
「そ、それは………!!
あ、定時になりましたよ。
吉田先輩、今日はデートでしょ?」
「そういう中島ちゃんは佐々木部長のお母さんと食事でしょ?」
「はい。」
「よくやるよ。頑張って。」
吉田先輩は彼のお母さんという存在が苦手みたい。
貴也さんのお母さんはなんというか普通じゃないから大変は大変だけれど楽しい人だ。
私も早く帰ろうと通路を歩いていると近くの会議室から手を引かれドキリとする。
パタンとドアが閉まると同時に抱きすくめられた。
もちろん相手は貴也さんだ。
「こはちゃん。会いたかったです。
母に会うために急がなくてもいいです。
私に会いに来る方が先でしょう?」
自分のお母さんにまでヤキモチを妬く貴也さんは本当にあの佐々木部長なのかと思う。
心春の気持ちなど知る由もない貴也さんは耳に唇を寄せた。
「愛してます。心春。」
甘くささやいた唇は優しく降りてきて心春の唇に重なった。
2人の指には同じ指輪がきらめいていた。