【完】悪魔な天使
ドンドン…
ドンドンドン----
玄関のドアがノックされる音で
私は再び目を覚ました。
どのくらい眠ってしまっていたんだろうか…
カーテンの隙間から覗く夕闇が、
日の落ちたことだけ知らせてくれる。
「ナオ、兄ちゃん帰ってきたよ。チェーン外してくれる?」
聞き覚えのある優しい声が聞こえたので
私も安堵しながら玄関まで向かった。
すぐにチェーンを外して迎え入れると、
青年が私の頭にポンと手を置いて言った。
「ありがとう。一人でよく頑張ったね。」
ドキン…
はにかむ姿が、
少しだけデビーに似てる。
…そんな気がした。