【完】悪魔な天使
「わ"ぁぁあああああ!!!」
睨みつけた勢いのまま、男に向かって体当たりを食らわせた。
男が少しだけよろけた隙に、持っていたニッパーを奪い取ることに成功し、
今度はこちらが男に向かってそれを突きつけた。
「やめろナオ!!!」
「あー、もうぶち切れたわ。で。それで、次はどうするつもりだ?」
私は男に向かって大きくニッパーを振りかざす。
勢い任せに腕を振ろうとしたその瞬間…
---ドン…
鈍痛が私の頭を一瞬で包む。
あれ?
「…っ…………?」
なんで?
しばらく、自分の方が頭を殴られたという事に気付かなかった。
男性から本気で頭を殴られたのは初めてだった。
自分の頭からポタポタと垂れ流れてきた血に
驚きを隠せない。
そして次の瞬間、感じたことのない鋭い痛みが頭の中を駆け巡った----。
痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い?痛いいたぃいた痛い…