【完】悪魔な天使

次に、お兄ちゃんはお風呂場まで私を連れて行くと、「自分で服を脱いで。」なんて言ってきた。


ん?
あれ…、
なんだかデジャヴだ。


似たようなセリフを確か小悪魔からも聞いた気がするのだが。


…これも試練のうちだと言うのならやってやろうじゃん!

半ばヤケクソに服を脱ぐと、
お兄ちゃんも腰に巻いていたタオルを外した。



ずっと俯いたままでいると、お兄ちゃんに頭からシャワーをかけられた。


「久しぶりだな。こんな風に一緒にフロ入んのは。」

「…そうだね。」


適当に話を合わせながら、シャンプーで頭を洗うと、生き返るようなサッパリ感を味わった。


不意にお兄ちゃんの華奢だけど筋肉質な身体が目についてしまう…



………………なにこの変な気持ち…

だめだ、だめだ、だめだ、
なんか、、めちゃくちゃ緊張してきちゃった!


「ん?シャンプー流してあげようか?」


目が合っただけで、身体中がカーッと熱くなる。



そりゃそうだよ…。


今の私は、見た目は10歳の男の子で、彼の弟かもしれない。

でも本当は、お兄ちゃんと同じくらいの年頃の女子高生なんだからね!


意識して当然だし、恥ずかしくて当然じゃん…!?


そんな言い訳を心の中で訴えている間に、
お兄ちゃんの大きな手がわしゃわしゃと頭を包み込んだ。


シャワーのお湯が熱いせいなのか、
私の熱が高まってきているだけなのか、
なんだか…クラクラする…



「…はぁ………ふぅ…」


「おい、ナオ?大丈夫か?」


「…おにぃ…ちゃ………」



フラッ………---




そこで視界は遮断され、
私の世界はまたもや暗闇へと引き戻されてしまった。



爆笑するデビーが現れて
私は不満を口にする。
「ああ、またキミか。」と。


「アヒャヒャ!そら、こっちの台詞だよ!
何度も意識失っちゃってさぁ。ほんとメンタル弱すぎ!
てか、試練中に何顔赤くなってんだよ?お前マジで、超ウケるから!」


「っけ!笑いたきゃ笑いな!この性悪アクマめ。」

「アッヒャッヒャッヒャッ!ヒッ、ヒィ…っ〜!」

「何その笑い方。マジで、超ウザいから。」

「ゥッヒャッヒャ!…ハァ〜、呼吸困難で死ぬかと思ったわ。さ、試練再開すんぞ。頑張ってね」

「えっ、もう…!?」




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