だったらあんたが堕ちてくれ
だったらとことん面倒を見てやろうじゃないか。
なんってったって、いまの俺は無敵だ。
満たされている。
行き渡っている。
待ってろ椿。
いま帰るぞ!
「ただいまー!」
暖房で暖められた我が家に入り、声高らかに帰宅したことを告げる。
意味の分からないハイテンションのままローファーを脱いで、綺麗に揃える。
……。
石材を敷き詰められた土間に視線を奪われる。
ローファー一足、スニーカー一足。
以上。
あるのは俺と椿の靴のみ。