だったらあんたが堕ちてくれ

ここは俺の家。

この女は他人。

勝手に上がり込んで、飯まで食って、どう考えたって敬語を使うべきはこの女。

「えっと…続けていいかな?さあ?って一体どういうことでしょう?」

父さん、頼むからしっかりしてくれ。

息子の痛みを無駄にしないで、ほら立ち向かえ!

「そのまんま。私が誰かなんて私が聞きたい」

なんでだよ。

自分のことだろ。

俺たちにあんたのことが分かるわけがないじゃないか。

「すごい!お姉さん記憶喪失?」

なぜか興奮しているお気楽な妹に、全員の視線が集中する。
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